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明日を考える。

 やっと「愛国と信仰の構造」を二度読み終わったところです。すらすらと読み通せるものではありませんでした。何度も何度も立ち止まって考えながら読み進めなければならなかった。読み終わってもまだこれからも何度も手にとることでしょう。明日を考えたとき、個人として今どうあったらよいのか突き付けられる問題ばかりだったからです。

 私が生まれたのは政党が解散して大政翼賛会に統一されたその翌日なのですが、近代日本の歴史は75年で区切ることができるといわれます。明治維新から数えて75年経て日本は戦争に突入しました。この75年を細かく見るとだいたい25年ぐらいの単位で大きな変化をしているそうです。
 江戸幕府から明治へと変わった時から最初の25年くらいは西洋列強の仲間入りを目指して富国強兵にまい進した時期にあたりますが、明治新体制をつくるにあたって、幕府を倒した下級武士は体制批判の「下からのナショナリズム」という性格を持ちながら同時に儒教的エリート意識を持っていたため、国家への忠誠心などを狙って、天皇崇敬、皇室祭祀、神社の優遇などをとおして天皇を求心力として国家を強くする政策をとったのでした。


 維新政府は神仏分離令を公布して、神社を自立させ、祭政一致の天皇が行う皇室祭祀と定めました。古代から行われていた宮中祭祀は新嘗祭だけでしたが、(ほかに伊勢神宮では神嘗祭があった)明治に入っていろいろ作られ、これらは祝祭日として学校や様々な場所でお祝いの行事がもたれ国民の中に浸透していきます。皇室祭祀と連携しながら全国の神社が一元的に統合され、国家神道の重要な構成要素となっていきました。

 国家神道の教の中身は「天照大御神やほかの神的存在が据えた確固たる根源に従い、歴代の天皇が受け継いできた治教である」すなわち他の宗教とは異なる「治める教え」ということです。
国家神道は宗教ではない、国が管理するものという二重構造の制度設計をしたわけです。こうして国家神道は他の宗教より一段上に立つものとして他の宗教を組み込んでいくことになりました。

 日本帝国憲法でも信教の自由は認めていますが、この憲法は神権的国体観念と西洋的立憲主義を接ぎ木したもので、立憲主義と国家神道のどちらに軸足を置くかで全く運用のことなるものだったのです。

 天皇を中心において「上からの統合」を目指した明治維新をどうみるか、儒教(祖先への孝と君主への忠、日本では孝より忠のほうに重きが置かれる)から派生した尊皇の政治の希求と古代への回帰というユートピアの合体したものとみることができるのでしょうか。


今安倍政権を背後から支え、閣僚の中にも多いといわれる日本会議は天皇を国の中心に国家統治をする政治体制への回帰を目標にしているように思われます。これは明らかに現憲法の主権在民とは異なるのですが、安倍政権が秘密保護法や安保法制の改定、共謀罪などの制定を通して目ざしていることは本当はどこにあるのでしょうか。このことについて私が感じていることは後で書きたいと思います。しかしはっきり見きわめる必要があるのではないかと思っています。

 次回、神権的国体思想がその後どのような経過をもって超国家主義的全体主義になったのか、戦争へと雪崩を打って進んでしまったのか考えたいと思います。そこに日本がこれから先の経験から学んで明日につなげるヒントがあるのではと思います。
  

       





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majyo

素晴らしいまとめですね。わかりやすいですが
まだ頭に入りません。読んだ本の感想やまとめは苦手ですが
これは、とても良い教材となります。
憲法改正して天皇をいただく戦前の国体にするには、書かれているように秘密保護法、安保法制、共謀罪ですね


by majyo (2017-04-24 19:31) 

風船かずら

majyo様、コメントありがとうございます。安倍政権の危険性など考えているうちにもっと世界レベルの危険の高まりのほうが気になります。力による制圧、武力によって人間を支配しようとする人間の悪、戦前などの比ではないのかもしれませんね。第一次世界大戦、第二次世界大戦までは貧富の問題だったように思いますが、今は一握りの人たちの誇りとか支配願望とかの問題なのでしょうか。安倍さんもどう考えているのでしょうね。国が亡びるまで、地球が亡びるまで続けようというのでしょうか。でも歴史のダイナミズムは一握りの支配者の野望だけで動くのでないことを信じたいですね。ニュースを見ると健康に良くないから一日、一、二回にしています。
by 風船かずら (2017-04-27 08:58) 

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